私たちは、目まぐるしく日々を過ごすことで、周囲に目を向けることを忘れてしまっています。
約束の時間に間に合うために全速力で走り、地下鉄に乗る。他の事を考える余地もありません。
こんな瞬間に、もしかしたら、私たちは、大切な何かを見逃してしまっていることがあるかもしれないのです。
多くの人々が足早に通り過ぎていくゴミ箱の中、小さな鳴き声が聞こえてきました。
しかし、人々はそんな小さな鳴き声に気付くこともなく、通り過ぎて行きます。
ゴミ箱に関心を持つ人などいないに等しいのです。
数日間が経ち、何千人の人がそのごみ箱の前を通り過ぎたでしょうか…
奇跡的に、好奇心旺盛な7歳の少女が、この小さな鳴き声に気付き、ゴミ箱を開けたのでした。
そこには、なんと、ちっちゃな、ちっちゃな子猫が捨てられていたのです。
何時間?いや、何日経ったかは分かりませんが、
子猫は必死に、『ぼくを助けて~!ぼくをここから出して~』と泣き続けたのでした。
勇気がなかっただけなのか、それとも、面倒だったからなのか、それは分かりませんが…
誰一人として彼のことを助けてくれませんでした。
ちっちゃな、ちっちゃな子猫は、少女のおかげでゴミ箱の外に出ることができました。
幸運にも、少女の父親は獣医さんだったため、子猫はすぐに治療を受けることができました。
しかし、子猫の面倒を見ることは、簡単なことではありませんでした。
スポンサードリンク
ウジやダニが顔にくっつき、それが原因で感染症を引き起こしていました。
耳と口の周りは言葉では言い表すことのできないくらいひどい状態でした。
傷口から推測すると、どうやら他の猫たちにやられたようです。
この子猫が健康と呼べる状態になるまで数カ月がかかりました。
口の怪我は1番酷く、食べることさえ困難な状況だったのです。
いつしか子猫は少女と一緒に過ごすことで、平和な日々を送るようになりました。
そして、毛も生えてきて、傷も治りました。
そして少しずつ、本来の猫の姿を取り戻すことができたのです。
獣医さんの父親は、この猫のために整形手術をしてくれました。
片耳は復元できませんでしたが、体はとっても元気になりました。
これは、少女とその家族の献身的な愛が、小さな命を救ったお話です。
もし、7歳の少女がいなかったら…
もし、少女とその家族の献身的な看護がなかったら…
この子猫は、今、この世の中にいなかったでしょう。
スポンサードリンク